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冬将軍
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作成日時 : 2008/11/30 09:03
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そろそろ積雪の便りもチラホラ...、つい嬉しくなり 他の県の天気予報にまで目がいく事もしばしば。 ★★ さあ、冬はこれからと思っていた矢先、昨日は寒桜見物の案内がきてビックリ!..。
関東以南の太平洋側では、雪が降っていても コタツに入ったまま障子越に庭を眺めていられる、勿論ドカ雪のこともあるが、根雪になって長く残ることは無い.. 「 箱根越す人もあるらし今朝の雪 ⇒ 芭蕉 」..昔から雪に対する感覚はこの程度のもの。 同じ雪でも、宗谷岬で出遭ったブリザードは厳しかった、急に辺りが暗くなり何も見えなくなると瞬間、人は強風と寒気で動けなくなる。 裏日本の豪雪地帯では屋根から降ろした雪が積もるに従い家の中は暗くなり、部屋は湿っぽくなり冬でも押入にカビが生えると云う...「 おろしたる雪に埋もれし梯子かな ⇒ 月尚 」..ところ変われば冬景色ってこんなにも変る...。
何年か前、家族 5人でスキーのジャンプ競技を観に行った、札幌 藻岩山のジャンプ台から飛び出して来る選手がよく見える位置に陣取ったはいいが、寒さには参った。 地元の観客は耳宛の付いた帽子を被っていたが、旅行中の我々にはそんな準備は無い。 長野オリンピックで活躍した選手の面々を間近に見ての観戦だったが、耳を切られるような寒風には散々だった。 藻岩山とは札幌の郊外、市の南方にある火山。 最近の200万年前以降に3回の噴火を経ている火山である。 この山の基盤は、中新世に海底噴火によって海に流れ出した溶岩であり、現在はその上を第四紀 (200万年前以降) 以降に噴出した安山岩が覆っていて、そのまた上に腐植土が重なっている、そんな山である。
日本は1957年(S32年)から南極観測に参加した、南極観測基地の一つでもあり、南極大陸の頂上域 (≒4200m/h) に位置する「ドームふじ基地」、ここでは年間の推定平均気温はマイナス60℃、最低気温はマイナス90℃ と云う、寒さなどと云う概念では想像も出来ない気温である。 このような環境下では、現代の最新装備をもってしても充分な観測活動は困難であろう。 それよりも、温暖化の続く地球上に まだこんな地域が、残っていたのかと驚いてしまう。
文久元年生まれの明治時代の探検家、白瀬中尉は1912年 (M45年) 南極に到達、極地点を目指して極寒の広野を9日間 / 300km を歩いた。 結局、南緯80度5分/西経165度37分の地点まで到達したものの、帰路の食料不足を考慮して此処から引き返した、総勢5名であった。費用は当時の金で14万円、明治の帝国議会は1910年 (M10年)に満場一致で探検費用の補助金3万円の拠出を可決したが、政府は結局資金を出さず、帰国後、白瀬は20年掛かってこの費用を弁済した。 当時、南極の極地点を目指したのは、日本の白瀬、イギリスのスコット、ノルウエーのアムンゼンの3隊。 政府主導のイギリスや資金豊富なノルウエーに較べて、一般献金で探検に踏み切らざるを得なかった日本の白瀬は、総ての面で不利であった。
唯一、極地点到達に成功したノルウエー隊は、北方の先住民が使う防寒服や軽い犬ぞり、スキー等を用い機動力の点で最も優れていた。 イギリス隊は動力車と馬17頭を持ち込んだが何れも失敗、最後は人力で雪上車を引く羽目になりその後、遭難者も出て計画は自壊した。 外国勢は、食糧や装備の点で日本に勝り、更に南極の学術調査まで行っており、探検の理念、情報、資金の点で日本隊との差は歴然としていた。 しかし、白瀬中尉の南極への挑戦は、20世紀初頭の日本人一般の思考範囲を超えた快挙と云えよう。
日本の白瀬は、世界で4番目に南極圏に到達している。 この事実は将来、日本の南極地域に於ける何らかの利権 (地下資源等)に結びつく可能性もあった。 しかし、第二次大戦で敗戦の結果、サンフランシスコ平和条約 (1951年9月)、第19条 「日本は...南極地域の何れの部分に対する権利、権原は...すべて放棄する...」 ..が締結され、日本の南極に対する権利は戦勝国側により完全に封じられた。 敗戦は、明治の大先達の苦労も快挙も総てを無にしてしまったコトを忘れてはならない。
参考書 :
渡辺興亜 南極大陸を歩く 学士会会報No.868
写 真 : 庭の雪景
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