ぬるでんぼう

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<<   作成日時 : 2009/01/14 23:49   >>

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 子供時代、家では学校の唱歌を歌わずに大人の歌ばかり歌っていた。 何故って? あの頃の唱歌は リズム感に乏しく...いや、専門家が指摘するように あの時代から、既に 「子供の声の低音化」 (音域の低下) が....始まっていたのかも知れない。

 わが国に最初に西洋音楽を持ち込んだのは 安土桃山時代 宣教師のザビエルだったが、国家として、自ら望んで西洋音楽を導入したのは明治政府。 1881年 (M14)には、早くも小学唱歌集が出版されている、だが実際に学校で新しい音楽の授業が始まったのは 1887年(M20) 以降のコト。 ドレミファ...(ヒフミヨイムナ) と西洋式ハーモニー (和音)からスタートした輸入音楽だったが、一旦 国としての指導体制が整うや、全国の学校を起点に一斉に新しい音楽教育が始まった。....それから100余年、在来の音楽との対比で二階建構造とも云われてきた日本の音楽だったが、軸足をドレミファ...に置くことで、皆が楽しめる音楽の種類と範囲は着実に広がった。画像

 このドレミファ...音楽のハード部分を支えたのが、楽器の普及だった。 ピアノが世に出たのは 17世紀のイタリア、日本でも 1880年に西洋音楽が導入されると 1887年(M20) には早くも ピアノの試作品が完成、翌年には量産化されている。 因みに、オルガンの方は 1881年 (M14) には試作品が作られ、同時に量産化が始まっている。 これらの伴奏楽器の国産化と量産化が、ドレミファ..音楽の普及拡大に大きく貢献した。.. ♪.楽器の普及といえば、我が家にもマンドリンが置いてあった、戦地を転戦する父にとって楽器を弾く機会など有ろう筈もなく、思えば あれは父の青春の形見だったのかも知れない...♪.。

 今や日本のピアノの普及率は 全所帯数比 25%、しかし中級以上に弾ける人はそう多くはあるまい。 過日、E・ザラフィアンツ (露) のピアノリサイタルを鑑賞する機会があった。 紀尾井ホールを圧倒する程のプロの演奏力は、正に体力勝負そのものに見えた。 ピアノは一度に10 の音を奏でる 楽器の中では形も音も最大のデジタル楽器である、その奏法も 親指クグリ手法に見るように、人間の手指の機能を上手く利用しながら、鍵盤楽器の進化と共に変化してきた。 つい、その前の時代までは A、B の2本の指で弾いていたのに比べれば、格段の進歩であった。 更にまた、楽器全体においても、懐古趣味のチェンバロから新機軸の電子楽器に至るまで機能の改良と品種の多様化が進んだ結果、音楽を楽しむ階層は更に広がった。

 西洋音楽導入当初に意図された和洋折衷音楽への構想は成功しなかったが、反面 その後の 「ヨナ抜き」 現象に見るような、音楽界の五音々階スタイルへの傾斜は意外だった。 明治の中期以降、五音々階スタイルで制作された 童謡・軍歌・校歌・(スコットランド音階を借用した) 唱歌・歌謡曲 などは、国民の間に深く浸透していて、今も日本の歌として広く歌われている。 長音階から四音 (ファ)と七音 (シ)を抜いた ヨナ抜き音階 (短調もある)は、抑揚の少ない日本語の特徴と相俟って、その取っ付きやすさ故に歌い継がれ、今や日本音楽の一角を占めるほどになった...。 世界の五音々階民族は、日本やスコットランド、アイルランド等だが、アメリカでもヨナ抜きホップスが流行した時代もあり、ヨナ抜きは 別にローカルな存在ではない。画像

 日本の歌の多くは4拍子、今なお、底堅い人気のタンゴやスイング (ジャズ)も 4拍子。 ところが四つ刻みが八つ刻みになり 8ビートのロックやボサノバになると、楽器の初心者には譜読みも 手指の捌きも難しく、演奏どころではなくなる、16ビートではなお更だ。 この百年、我々はハーモニー主導の西洋音楽のメロディーを学んできたが、現代のポピュラー音楽は、リズムと躍動感を楽しむ音楽へと進化.?..した。 ....一周遅れの私だが、今は八つ刻みへの挑戦に大わらわ....(笑い)..果たしてこの先、どうなるコトやら..♪

参考書 : 
服部公一   音楽のある風景      朝日新聞社
千葉優子   ドレミを選んだ日本人   音楽の友社

写  真 :  演奏のあとで

 ♪..ヨナ抜き技法で作曲された歌は、唱歌では蛍の光・庭の千草・七つの子、歌謡曲には、カチューシャの歌・影を慕いて・昴・北国の春・箱根八里の半次郎など、その他にも校歌や旧軍歌、民謡と数多 (あまた)ある。

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