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<<   作成日時 : 2015/11/30 17:35   >>

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 2015年は例年よりも10日遅く 10月11日に富士山の初冠雪が報じられた。 11月も末ともなれば山頂の白い雪も大きく成長して見える。 その富士山の特徴の一つは 山腹に川が無いコト。 ... だが現在の富士山が出来る前の 古富士火山 (10〜1万年前) の時代には川は有った。 ... 即ち、現在の富士山の表層を覆っている玄武岩溶岩は、割れ目や気孔が多く雨水や雪解け水は全て地中へ浸み込んで地下水になってしまう。 しかし、今の富士山の下に在る 古富士火山は、表層の玄武岩溶岩は硬くて緻密なので気孔や割れ目は殆どなく 水は山体に浸み込まずに表層を流れていた筈。 古富士火山の時代には、雨や雪解け水は山の表層を流れて山腹には幾筋もの川が有ったのである。 このコトは、富士山周辺の白糸の滝や音止め滝で 水が噴き出している地層を見れば理解出来よう。

 現在の富士山には川は無いが、山麓周辺には地下水の湧水個所が無数にある。 その内で有名なのは静岡県側では三島市の柿田川、山梨県側では忍野八海である。 特に柿田川の湧水量は一日に100万トンと東洋一を誇る。 富士山に降った雨や雪解け水は、地下水となって流れて 40qも離れた三島市清水町の国道一号線の直下から大量に湧き出ている。 この湧水は柿田川の源泉でもある。 特に景色のよい湧出池の左岸側は家康が隠居地用にと土地を物色したほどの地である。 付近には縄文や弥生時代の遺跡も多く、古代から人が住むに適していたコトが窺える。 ただ、現在の湧水量 100万トンに対して 1960年代には一日130万トンだった。 湧水量が減少した原因は、富士山麓の乱開発と周辺の宅地化であり、水質が劣化傾向にあるのは年間 50万人も来訪する観光客による観光公害も無縁とは云えまい。

 春、東大寺の二月堂では 3月12日に 「お水取り」 の行事を行う。 この寺の縁起には、昔 若狭の国の遠敷明神が二月堂の 近くの若狭井から清水を湧き出させて観音に奉ったとある。 今でも、この日には二月堂の若狭井で水を汲む行事が行われているが、一方の若狭の国 (福井県小浜市) では、お水取りに使う清水を 市内の遠敷川 (おにゅう川) の 「鵜の瀬」 で取水して 「お水取り行事」 の 10日前の 3月2日に (地下を通して?) 二月堂へ清水を送る 「お水送り」 の儀式を行っている。 若狭から東大寺までの距離は 90 km、これほど離れた両地点間の地下を清水が 10日間を掛けて流れていくと信じて、752年 (天平勝宝4年) 以来 1260年もの間 双方で送水と取水の儀式が行われてきた。 ... 若狭の国と奈良の東大寺は地下水で繋がっている? ...昔の人の想像力は凄かった。 今、両地点の中間に在る京都に溜まる地下水の量は 210 億トン、間違いなく今も 若狭の国と奈良 東大寺の地下は水で繋がっているのである。 ... 清水を取水する地の 「鵜の瀬」 は現在 名水百選 (環境庁認定) に選ばれている。 ( 注:京都の地下水は北東から南西に向けて流れている)

 オアシス都市とは、オアシス地域に形成された都市、元は砂漠の中に自然に湧き出ている地下水を利用して人が住めるようにした町である。 オアシスの水源は遠く離れた降雨地帯にあって、降った雨水や融雪水は地下水となって延々と地下の水脈を流れ下って地殻の割れ目から地表に湧き出す、自然の賜物である。 中央アジアの古代都市 楼蘭はオアシス都市として有名であるが、シルクロード自体、砂漠の中に点在するオアシス都市を繋いだ路であり、旅人の命を繋ぐ路でもあった。 現在でも中央アジアにはカシュガルや敦煌などのオアシス都市があるが、アラビア半島のドバイ、エジプトのカイロもオアシス都市が発展して出来た大都市であり、アメリカのソノラ砂漠の都市 フェニックスやツーソンも同様にオアシス都市である。

 自然に湧出する地下水に依存するだけでなく、古代から人は井戸を掘り地下に隧道を掘り進めて水を流し、汲み上げて生活をしてきた、... これが地上に川の無い乾燥地帯で広く行われてきた取水法である。 地域により言葉は異なるが、アラビヤやトルコ、ギリシャではこの人造の地下水路をカナートと呼び、パキスタンではカレーズ、北部アフリカではレッタラと呼んだ。 この手法は、縦に複数の井戸を掘り、水脈に届いた個所から今度は横方向に碁盤目の様に水路を掘って井戸水を流し、各所の取水井戸から水をくみ上げて使う。 勿論、地下水は枯れたり溢れたりするので、地下には作業員が歩けるような大きな地下道を確保していてメンテナンスを やり易い様に造られている。 ... 現在、人類は海水の淡水化を進めて大量の真水を確保しようと苦闘している。 しかし、将来の地球人口 100億人分の水資源の確保には未だまだ手が届かないのが現状だ。

 参考書 :
藤岡換太郎 川はどうしてできるのか   講談社
安見昭雄   水のおはなし     日本規格協会

 

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