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zoom RSS 火山灰の模式地

<<   作成日時 : 2016/02/15 12:42   >>

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 2015年5月に始まった箱根の山体膨張騒ぎは 11月には収まり警戒レベルも 3 から 1へと下がり 事実上終息した。 箱根火山の誕生は凡そ 40〜50万年前とも云われるが最近の数万年前以降は特大の噴火は無い、... だが箱根を安全な山と考えるのは未だに危険である。 勿論、どの火山にも終息はあるが、箱根火山は位置から見ても 何時動いてもおかしくない活火山であり、危険な火山であるコトは間違いない。 箱根火山の下には未だにマグマ溜まりがあり、例えば強羅の温泉等は直接マグマに暖められた湯だと云われている。 同じ伊豆小笠原弧の延長上に在る八ヶ岳の場合、活動終了の後 40万年間の静穏期間を置いて再び激しく活動した例もある、ご用心あれ!

 一説では 箱根の古期外輪山の想定容積は 130 km3 とも云われるが、その中の相当量は過去数十万年の間に火山砕屑物として周辺へ流出した。 先週末には、この箱根火山から流出した噴出物の痕跡を訪ねて、箱根から 20kmほど東に在る大磯丘陵の北西部を歩いてみた。 この地域は、丹沢山地から流れ出る酒匂川が足柄平野を南流し、川の東側には大磯丘陵の西端を画する大井・松田断層がほぼ南北方向に走っている。 断層上には背斜構造によって生まれた 高さ 200m 前後のかまぼこ状の曽我高地が南北に連なり、この山地の東面には逆に沈降に依って生じた低地が広がり人里が点在し、その間を 菊川など幾筋かの小河川が山野を削りながら南方向に向けて流れている。

 今回は、関東ローム層のうち 約 20 万年前に噴出した多摩中部ローム層 (早田ローム層) を訪ねて当地に来た訳だが、これら火山灰層の模式地は山地を深く刻んで流れる菊川支流の右岸崖に在った。 現地は行き止まりの道路脇下にあり、約20m下の細い谷に降りて川を下りながら側壁の露頭を順次観察して行く訳だが、冬場は流水は無いが倒木の下には水溜りが多く、転石も有り薄暗く足場の悪い狭い谷底にある。 降下堆積物と火砕流堆積物から成る火山砕屑物の地層は、川の下流側が新しく 上流に向かって順次古くなっていく。 ここでは関東第四紀研究会が発表した 「大磯丘陵の第四系総合層序表」 の中期更新性、多摩中部ローム層 (Tm) の内、 Tm1〜33 迄の多くを観察できる。 この崖では輝石や角閃石、豆石、不整合なども併せて観察できる。 当地は正確には大井町下山田の菊川東沢の谷壁に在るが、狭い谷川への降り口は外来者には分かり難く、また単独では危険な場所でもある。

 さて関東ローム層。 一般には赤土として知られているが、元は関東平野周辺の火山から齎された、或いは風に乗って飛来した火山灰であり、1万年前より以前の古い地層を指す。 具体的には更新世中期以降に、関東平野周辺の箱根山、富士山、浅間山、榛名山、赤城山、男体山などの火山の噴火で関東平野に降下した火山砕屑物の堆積したもの。 関東ローム層が赤みを帯びているのは、中に含まれる鉄分が酸化した為である。 ただ、火山ごとに赤色はそれぞれ微妙に異なっていると云われる。 ... 本来のロームの定義は、土壌中の粒径の組成比率云々であって、土壌の起源や色彩は関係しない。

 関東ローム層は地学的見地から生成時期によって四期に区分されている。 古い順に南関東のローム層は、多摩ローム層、下末吉ローム層、武蔵野ローム層、立川ローム層に区分されて研究されている。 ... また、風に運ばれてきて降り積もるローム層は、噴源に近いほど層厚は厚くなり、灰の粒子も粗くなる。 これに関しての多摩中部ローム層の研究例では、火山灰層の層厚は、@ 大磯丘陵の大井町曽我大沢では 3m、灰の最大粒径は 18p だったのに対して、A の川崎市多摩区生田東では、層厚は 44cm、灰の最大粒径は 2. 5cm だった。 因みに、箱根〜大井町間の距離は 約20km、なのに対して箱根〜東生田間は 約70km と離れている。

 参考書 :
大森・端山・堀口  日本の地質3 「関東地方」   共立出版
笠間・山下  箱根火山テフラデータベース(Tm-2)、nk.Kanagawa-Museum.jp 2008年:

 

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