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zoom RSS 相模湾と相模灘

<<   作成日時 : 2016/06/30 22:09   >>

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相模湾は神奈川県の三浦半島先端の城ケ島と真鶴半島の先端を結ぶ湾状の海域である。 相模湾の外側には一般にはあまり馴染みのない相模灘という海域がある。 範囲は、房総半島の先端から大島を経て伊豆半島の先端に至る海域の北側で、この線を境に太平洋と区分されている。 ... 灘とは、海流・潮流の流れが速く航海が困難な海域を指す。 他にも玄界灘・熊野灘・日向灘など灘は 昔から潮流の速い外洋として知られ、天候次第で海難事故も多発していた。

 さて、その相模湾だが この湾は何時頃どの様にして出来たのか? ... 先ずは、本州の関東から東海地方に掛けての太平洋岸がほぼ直線だったとしよう。 そこへ凡そ 100万年前にフィリピン海プレートに乗った大きな伊豆の地塊が南の海から北上して来て本州に衝突した。 この時の衝突によって出現したのが伊豆半島である。 その結果として、半島の西側には駿河湾ができ、東側には相模湾が形成されたのである。 その後、衝突してきた伊豆半島上層部の付加体の部分は、地下深くに沈み込むプレート部分とは違い本州の下に潜り込めずに陸の上をそのまま北上しつつある。 衝突後 100万年を経た現在、伊豆半島の先端部分は 約 50q 本州側に喰い込んで来ている。 遠い将来、この伊豆半島の地塊は、現在 山梨県にある櫛形山や御坂山地、或いは神奈川県の丹沢山地の様に 本州の内陸に取り込まれていく運命にある。 ... これは想定だが、結果として最終的に伊豆半島が現在地点から無くなれば相模湾もまた解消して無くなる。 だが、その後にはまた現在接近中の伊豆大島の大地塊が本州に衝突して来て周囲には再び新しい湾が形成されるコトになる。

 伊豆大島は太平洋に面した相模湾口にあるが、フィリピン海プレートに乗ったこの島は年に 約4p の速さで北上しつつあり本州に接近してきている。 現在、伊豆大島と伊豆半島の東伊豆町の間の直線距離は 25q、神奈川県小田原市との距離は 55kmである。 大島が更に本州に近づけば島の西の海底にある大室ダシを含めた大きな地塊が海上に姿を現す、現在の大島の面積は 91km2 、これ以上の大きな地塊が伊豆半島の後に衝突して来る訳だ。 神奈川県が 2001年に刊行した県全域と相模湾の海底図を載せた 「神奈川県の活断層」 図には、相模湾の海底地形が等深線入りで描かれている。 この海底図に依れば、湾の中央部分が最も深く、そこにはフィリピン海プレートと北米プレートとの境界線である相模トラフが北西〜南東に向けて描かれている。 湾内の水深は 1500m とあるが、外洋に向けて海は更に深くなる。 驚くべきは相模川や酒匂川など湾岸の河川から流入した砂泥が 3000mも堆積しているというから本来の湾底はもっと下にある筈。 湾の東部の水深1000m 以内の三浦半島側の海底では 数個の沖の山堆列 (逆断層) が並んでいる様子が良く分かる。 伊豆半島側は斜面が急で分かり難いが、海底には西相模断裂と云われる活発な断層の存在が知られている。

 相模湾は駿河湾、裏日本の富山湾と共に日本では特別に深い湾である。 この三大深海湾は他の東京湾や伊勢湾、或いは北海道の噴火湾、鹿児島湾などとは湾の出来方が違う。 三つの深海湾は本州中部の地下深くを画するプレートの境界線に沿って、即ち フォッサマグナ(地溝) に沿って生まれた特殊な湾なのである。

 相模湾の場合、例えば江の島沖の潮流の速度は 90p/sec、だが静かな日の湾内の平均流速は 15p/sec と穏やかである。 だが湾外の相模灘の黒潮の速度は最大で 4ノット (7.4km/h ) と速い。 また、水中に光が届く深さは真水では水深 550m までとされるが、海水の場合は 200m が限度とされる。 海の場合は場所ごとの透明度により大きく異なるが、目に映る範囲内の明るさで云えば、通常は透明度が30m なら水深 80m 位までは明るさが届くとされる。 ... 実際には、相模湾の沖の山堆に潜水艇で潜った人の話では 200mが限界だったと書いている。

 今まで湾とは地形や地理の概念かと思っていたら、実は湾は 国家にとって地政学上の見地から最重要の拠点である知り驚いている。 湾は単純に海の一部が陸地に喰い込んでいる領域であるが、この湾に就いて国連では海洋条約、第10条 (略) で範囲を規定していたのである。 国際紛争を避ける為に国際連合条約で海洋法が制定され、各国が条約を批准し順守されているのである。 それにも拘らず、近年 リビヤのシトラ湾やロシアのピョートル大帝湾 (日本海)では湾の範囲と解釈を巡って国際紛争が発生していた。

 参考書 :
藤岡換太郎    相模湾 深海の八景    有隣堂
藤岡換太郎他  伊豆・小笠原弧の衝突  有隣堂

 

 

 

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