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<<   作成日時 : 2016/11/30 09:59   >>

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 鶏の卵の殻には白色のものと褐色のがある、業界では前者を白玉と云い 後者を赤玉と呼んで区別している。 勿論、餌が同じなら双方の栄養値に変わりはない。 日本では鶏卵の 80%が白色の卵で残りが褐色の卵だが、ヨーロッパではその比率は逆である。 この殻の色の違いは親鳥次第で決まる。 鶏の種類は世界では 200種もあるので一概には云えないが、白色レグホン系が白い卵を産み、プリマスロックや名古屋コーチン系が褐色の卵を産む。 私が中学生の頃に飼っていた喧嘩に強い チャボも褐色の卵だった。

 鶏が家畜になったのは BC 3000年頃、人間との関わりは既に 5000年も続く。 鶏の先祖は キジ科の野鶏 (やけい) だが、厳密に云えばインド東北部から中国南西部に掛けての東南アジア一帯に生息していた赤色の野鶏である。 もともと野鶏は、昆虫や種子、果実を食べる雑食性の野鳥で、普段は木の上で暮らし、羽根は砂で洗い、巣に卵を産む習慣があったが、農耕を始めた人間に依って家畜化され卵用と食肉用に、或いは愛玩用にと改良されて現在に至っている。 鶏が日本に伝わったのは、弥生時代の BC 300年の頃で中国南部からの移住者によって齎された。 ...キジ科の野鶏の雄姿は、東アジアで聖鳥とされる 「鳳凰」や後の時代の 「朱雀」 のモデルでもある。 野鶏はそれ程までに人間にとって身近な存在だった。

 我が国では奈良時代以降、何度も 「肉食禁止令」 が出されている。 最初は日本書記の 675年 (天武4年) 4月17日の項に載る 牛・馬・犬・猿・鶏の肉食禁止令である。 だが 複数の研究者に依れば、その後 度々出された禁止令の多くは宗教的な理由よりも寧ろ 生き物の保護を目的とする例が多かったとある。 因みに、日本で肉食禁止令が完全に終了したのは 1200年後の 1871年(M4年) 。 この様な禁止令が 1200年間に何度も繰り返し出されている所を見ると あまり実効が無かったのかも知れない。 一方、外国使節を供応した鴻臚館の発掘調査や朝鮮通信使への供応メニューには 必ず肉食料理が入っている。 ... この肉食禁止令が有った為に、我が国では公に家畜を育てることが出来ず、明治時代に入るまで畜産業が発展しなかった。 鶏に関してみても、この 1200年の間に卵や肉類を採る為の畜産業は育たず、尾長鶏や長啼鶏など愛玩用の鶏が研究されただけだった。

 鶏の寿命は、天敵の猫やイタチに襲われなければ普通の飼い方で 10年前後である。 だが、畜産業で飼育されている鶏は、孵化後 5ヵ月程で産卵を開始し 15ヵ月程度の採卵期間を経た後は 適時肉食用として処分されている、従って通常は 20〜30 ヵ月の命にしか過ぎない。 養鶏業者は経営維持のために、この工程を長期にわたり繰り返し続けてきた。 ...さて、鶏卵 1個の重量は 50g だが、鶏卵の国内生産量は 凡そ 135万トン、輸入品が 70万トン、計 205 万トンが食用と産業用 (主に製薬用) に消費されている。 飼料の輸入を計算に入れなければ鶏卵の国内自給率は単純計算では 65% になる。 世界の鶏卵生産量は、中国が1位で以下 アメリカ、インド、日本、メキシコ、ロシア...と続く、また一人当たりの消費個数は、メキシコが1位で以下中国、日本、ハンガリー、アメリカ、...と続くが その差は僅少である。

 近年、鶏を始め動物一般に対する飼育法に関して世界的に新しい大きな流れが出来つつある。 それは 「Animal Welfara (動物福祉)」 に関係するもので、生きている動物に心理的苦痛を与えない様にしようと云う運動である。 具体的には、動物が受ける痛みやストレス等の苦痛を最小限に抑えようという運動で、その対象は @ 産業用に利用される家畜動物、A 水族館等の展示動物、B 研究に使われる実験動物、C 家庭での愛玩動物、D 野生動物など全般に亘る。 ...このうち家畜動物に関する心理的幸福の実現は、適切な飼育環境の提供と苦痛を伴わない屠殺の実施にある。

 鶏に関して云えば、@ 現在の様な身動きのとれない狭い鶏舎内での飼育は避けよう、A 屠殺は苦痛を伴わない方法で処理する、の 2点である。 現在多くの養鶏場では 薄暗いウインドウレスの鶏舎内で経営効率の良い 「ゲージ (狭い篭) 飼育」 が行なわれているが、欧米では 2012 年以降 ゲージ飼育は禁止された。 現在のゲージ飼育法に変わる飼育法は 「平飼い飼育法」 である。 ... 平飼いとは、日光や砂時のある広い鶏舎内で鶏を放し飼いにして集団で飼う飼育法である。 最近、市場に出回り始めた 「平飼い卵」 ではあるが、この飼育法は経営的にはコストも嵩み問題も多い、だがこの飼育法は 「 Animal Welfara 」 への今後の取り組みとして注目が集まっている。 今や、この問題は日本でも動物福祉の観点から避けては通れない問題になりつつある。 今後の動向に注視したい。

 参考書 :
八木宏典   知識ゼロからの畜産入門  家の光協会
農林水産省      アニマルウエルファアーについて

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