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zoom RSS 日本語と国語

<<   作成日時 : 2017/04/30 13:55   >>

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 日本の学校の授業には国語や英語の科目は有るが日本語という科目は無い。 20世紀の終わりの頃に国語に替えて日本語と云う名の科目を設置した公立の学校があったが、結局は上から睨まれたのだろう 今は無い。 ならば国語と日本語はどこが違うのか。 ... 国語とは National Language で一国を代表する言語のコト、我が国では日本語が国語になる。 だが実は 国語と云う用語は和製の造語でしかなく、他の英語圏のアメリカやイギリスなど、或いはアラビア語圏のサウジアラビヤや中東諸国には 日本の国語に相当する用語は無い。 ... 日本では公用文は、全て国語の現代日本語で書かねばならない。 だがインドではヒンズー語が公用語なのに一般には英語の方が多く使われている。 現在、日本語の使用人口は1 億人余、世界人口70億人中、1/70 の人が使う地域言語である。 また インターネットで使われている言語の使用者数は、英語、中国語、スペイン語、アラビア語...、に続き日本語の使用者数は 9番目、人口減少化の時代を迎えて将来展望は明るくはない。

 日本語の文の基本構成は、万葉の大和コトバの時代から現在まで原則、主語+修飾語+述語である。 換言すれば、「私は絵を描きます」 と云う日本語は 主語(Subject)+目的語(Object)+動詞(Verb) の構成になっていると云うコト。 この英文の頭文字をとって、日本語は SOV型言語に分類される。 同系の言語には ラテン語、チベット語、インド語、モンゴル語、朝鮮語等がある。 これと文法構成の異なる SVO型の言語 (主語+動詞+目的語) には英語の他にヨーロッパ系言語、中国語等がある。 勿論この他にも色々な文法形態がある。 世界 1400 語の内、SOV型は 565語、SVO型は 480語、基本語型なしが 189語、残りはそれ以外の型になる。 SOV型の日本語には、@ 「切ってしまう」 の様に動詞の後に助動詞が付く、A 「赤い花」 の様に名詞の前に形容詞が付く、B 比較的自由に語順を変えるコトが出来る、...等々の特徴がある。

 固有の文字を持たなかった古代の日本人は、他国から入って来た漢字を訓読みして 或いは文字の画数を省略して独自の日本語を創り上げた。 だが、漢字の訓読みを補う為に、用語の前後に活用語尾や助詞、助動詞を付けねばならず 日本語は 「膠着語」 に分類されている。 その点、中国語には助詞、助動詞や添え言葉等が無く、特定の意味を持つ単語を順序良く並べるコトで文章を構成している。 その為か 中国語は 「孤立語」 に分類されているが、文章を書く人にとっては頗る効率の良い言語構成になっている。

 一方、日本語は昔から 「話し言葉=口語文」と 「書き言葉=文語文」 の乖離に悩み、両者を 「文言一致」に近づけるコトに腐心してきた。 歴史的には平安時代には両者は最接近していたものの、次の鎌倉時代から江戸時代に掛けては両者の間は広がるばかり。 明治維新後の明治政府は、この問題と 更に近代国家としての標準語の在り方、各地の方言の扱いに苦慮した。 これ等を打破する為に明治政府は先ず自らが公用文を 「漢字カナ交じり文」で使う様にして 話し言葉と書き言葉の接近を計り、新しい標準語には東京山の手の知識層や中堅クラスの人が使う言葉を選んで、さっそく実行に移した。 意を得てか、二葉亭四迷は早速 小説 「浮雲」 を口語体で書き、尾崎紅葉は 「...である」 調の小説を書いて新しい口語体の方向付けを試みた。 明治36年には新しい国定教科書 「尋常小学読本」 が刊行され、新聞社も口語体を採用したので 日本語の標準語は普及し、口語体と文語体の 「言文一致」 への流れは全国規模で加速した。 ...世界では既に 14世紀のルネッサンス後に、イタリア、イギリス、ドイツ、ロシア が 「言文一致」 を達成している。 日本は 500年遅れで漸く言文一致に辿り着いた訳だ。

 平成を生きる者にとって、明治時代の文章は何となく意味は分かるものの真の理解には程遠い、もっと前の江戸時代の文章は更に難解で読めず理解できない場合の方が多い。 100年前、300年前の言語は日本語ではあっても、既に 国語ではない。 言葉も文章も 100年も経れば大きく変わる。 今の時代は科学が進歩し、経済はグローバル化、連れて文明も文化も発展著しく しかも テンポは速い、その結果 新しい言葉が次々と誕生してくる。 それも名詞だけではない、形容詞も動詞も助詞、助動詞も 新しく生まれては拡散してゆく。 現代は、ラ抜き言葉、レ足し言葉、サ入れ言葉 の氾濫時代。 我々自身、日々旧来の日本語の根幹が少しずつ揺らいでいるのを実感している。 時代に応じて、用語の利便さを求めて、新しい言葉が生まれ出て定着するのは生活人にとって、それは必要なコトだ。 ... 嫌がる人も居るが、言葉も文字もやはり道具以上のものでは無いのだ。

 参考書 :
山口仲美  日本語の歴史  岩波書店


 

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