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zoom RSS バロック音楽を愉しむ

<<   作成日時 : 2017/10/31 00:39   >>

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 1600年に ベネティア共和国で初めてオペラが上演された、ヨーロッパは これを機にバロック音楽の時代へ突入する。 ... バロックとは、当初は大げさで仰々しく誇張され目立つものとして 稍々ネガティブな意味で捉えられていたが、結局はその侭 17世紀から18世紀半ばに掛けての芸術、とりわけ絵画、建築、音楽等の時代様式を表す言葉として定着していく。 ... バロック音楽にとって画期的だったのは、この時期に音楽の調性が確立したコト。 即ち、器楽音楽の発展に伴い調性音が重要視されて長調・短調に基づく音楽が誕生し、更に標準化されたコトだった。 但し、音楽史の中でバロック音楽という用語が使われたのはズーッと後の 1919年である。

 バロックとは17世紀以降、美術に始まり建築や彫刻、後には文学や音楽の分野でも使われる様になった概念で、前の ルネサンス文化に続き新しく興った文化概念のコトである。 両者の違いは、例えばルネサンス時代の絵画の代表作 「モナ・リザ」 は絵の構図に動きはなく静的で純粋美を表象する様に描かれているのに対して、バロック時代の絵は 例えばシャンパーニュの 「受胎告知」 の絵で見る様に、絵の中に人々の動きと変化が表現されている点にある。 また建築関係では この時代に建てられたパリのベルサイユ宮殿建物にみる見事でダイナミックな線はバロック建築の最たるものである。 同様にバロック芸術では、音楽においても動きと変化が重要視されていた。 音楽分野で最初にクラシック作品を作曲し演奏したのはイタリアの C・モンテヴェルディ である。 彼の作品の オペラ 「オルフォエとエウリディーチェ ⇒ 哲学者の魂」 の初演は1600年、このオペラはギリシャ神話の悲恋物語を題材にしたものであるが、それが現代に至るまで世界中で上演されているのは内容に現代にも通ずるものが有るからであろう。

 音楽界では 17世紀頃より新しく出現した鍵盤楽器や弦楽器が使われる様になり、大勢で演奏するオペラやオーケストラが誕生し劇場では今迄よりも よりオーバーで派手な演技が繰り返された。 ...勿論、前のルネサンス時代にも楽器は有ったが、声楽の方が優先していて器楽音楽はどちらかと云えば脇役に置かれていた。 それがバロック時代になると漸く器楽の語法・形式、演奏法が開発されて、オペラ同様に器楽音楽がバロック音楽の基本を構成するようになる。 楽器は、チェンバロ、オルガン、ヴァイオリン等がバロック音楽のメインの楽器だったが、当時のオルガンは大きく、建物に固定されていて移動することが出来ない楽器だった。 ヴァイオリンも未だ 6弦の 「ヴィオール」 と分化していなかったと聞くが、 バロック音楽はそれぞれ当時の楽器の音色に依って優雅に演奏されていた。

 バロック音楽の時代から既に 500年を経た。 幸いにも当時使われていた楽器はドイツだけでも数千個が現存すると云われるが、博物館入りして保存されたのはその中の極く一部に過ぎず 他は自然に朽ち果てて行く運命にあった。 この度、ドイツのフラウンホーファーX線技術開発センターでは、新しいプロジェクトとして これら楽器を一個づつX線でスキャンして楽器の内部構造を解明し、デジタル化して最終的には3D 画像にしてバーチャル・ミュージアムで見られる様にオンライン化して行くと云う。 例えば、ヴァイオリン1台のスキャンには 50ミクロンの解像度で20時間もの作業時間を要すると云うが、過去の音楽文化の保存の為にもぜひ 遂行して頂きたいもの。

 私が練習した曲は決して多くはないが、バロック系ではバッハの 「G線上のアリア」 、ヴィヴァルデイの 「四季」 の春の序奏など、それに いろいろ議論のある曲の 「アルビノーニのアダージョ」 もバロック調の曲だった。 次の時代の古典派の曲では ベートーベンの 「ソナタ・月光」、「ソナタ・悲愴」 の第2楽章、「エリーゼのために」 などを弾き、他にモーツアルト等も好んで練習してきた...、続く ロマン派の曲ではショパンやリスト、シューベルト...の曲を何とか練習してきた。 バロック系の作品は宗教音楽にも特色があり、バッハのマタイ受難曲やヘンデルのハレルヤ等は単に音楽として弾いても一般受けする曲である。 今後は、感情の表現を重視しながらバロック調の曲が練習出来たらなと秘かに思っている次第...。

 17世紀から18世紀中ごろに掛けてのバロック時代のヨーロッパは、政治的にはヴェネチア共和国を除き 他は全て絶対君主制の王国であった。 従って、音楽の場も必然 宮廷と教会と劇場の三つに分かれており、音楽自体も それぞれに分かれて成り立っていた。 従って、そこには夫々に宮廷付きの音楽家と教会専属の音楽家、劇場付きの音楽家が居た訳で、その彼らが演出するバロック音楽は、共に過去の仕組みや伝統にとらわれずに作曲家と演出家と聴衆の三者が一体となって自由に楽しめる音楽であった。 それは恰も後年のアメリカン・ジャズの演奏家たちが聴衆と一体となって楽譜に縛られずに音楽を展開していくのと同じであったと云う。 ... 本来のバロック音楽の良さは、演奏者が楽譜を自分なりに解釈して音楽を演出できる点にあった。 音楽自体、作曲家が作曲段階で楽譜に克明な演奏指示や表示を付け過ぎると、演奏家が音楽を自分なりに解釈して演奏する範囲を狭くしてしまい聴衆が感激する余地をも少なくしてしまう。 ... そう、バロック時代は、聴衆も自ら音楽に積極的に参加できる稀有な時代だったのである。

 参考書 :
皆川達夫   バロック音楽   講談社学術文庫


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