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zoom RSS 古代日本の製鉄

<<   作成日時 : 2017/12/15 20:01   >>

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 人類が鉄を使い始めた歴史は古い。 例えばエジプトに伝わる鐵玉の場合、ニッケルを多く含むので原石は隕石なのではと推測されている。 だが気が付いて見れば地球上に鉄の原石は多い、人間が鉄を還元して利用するコトを知ったのは通説では BC 1900〜1200 年の頃。 長い時を経て鉄の製法が中国に伝わったのは春秋時代の BC 700〜400 年。 その頃の古代日本は大陸や朝鮮半島から入って来た鉄の塊を加工して使っていた。 考古学でも日本国内で独自に鉄が生産される様になったのは AD4〜500年とされている。 ... だが日本列島に BC300年前後に 大陸から大勢の弥生人が移住して来ていることを考えれば、鉄の製法・技法も当然 各地に持ち込まれていたと考えるべきであろう。 だが現在までに国内には鉄を大量に生産できるタタラ製鉄の炉の跡は発見されてない。 だが一方では、縄文の末期から弥生時代に掛けて造られたと思われる鉄製品の遺物が国内各地で発見されているのも事実である。 しかも弥生時代の日本には青銅製の銅鐸を量産する生産技術はあった。 それにも拘らず鉄の製造が始まった時期だけが特定されないのは何故なのか?

 古代の鉄が議論される時、その鉄はどの様な鉄を指しているのか?  鉄には大きく分けて 「鍛鉄」と 「鋳鉄」 がある。 古代から中国で造られてきた鉄は主に鋳鉄であり、古代日本に大陸から齎された鉄も鋳鉄であった。 ... だが古代日本で生産されたとみられる古墳時代以前の鉄製品は、出土品で見る限りは刀剣・槍・鉾・鎧・鎌・鍬などの殆どが鍛鉄で造られており、鋳鉄品は斧などごく僅かに過ぎない。 鍛鉄と鋳鉄では原料も製法も異なる。 鍛鉄は硬くなく柔軟性があるが、対する鋳鉄は硬いが脆。 これは炭素等の不純物の含有量の違いによるものである。 従って鍛鉄と鋳鉄の違いは原料と製法にある。 ... 鉄の原料には鉄鉱石、砂鉄、褐鉄などがある。 一方 鍛鉄の製法は端的に云えば、@ 鉄をどの様にして還元するか、A 鉄と残渣の滓をどの様にして除くのか、の2点をクリアすれば足りる。

 銅の融点は1083 ℃であるが、鉄の融点は より高い。 だが、鉄の原料を還元するにはそれ程の高温は必要ではなく、弥生式土器を焼成する 700 ℃ 程度の温度が有れば充分であり、その結果得られる還元鉄を再び高温で加熱して鍛錬すれば良質の鉄が得られる。 但し、この方法は原始的であり、実際には原料費と工数が嵩むが、タタラ方式の様に送風装置などを必要としないので、小規模の製鉄ならこの方法で充分 鉄を造れる。 ...この様な小規模の製鉄法で鉄を造れば、炉の痕跡など残る筈はない。 古墳時代以前には、この様な製鉄法で必要量を確保していたと考えられないコトもない。 特に花崗岩の多い西日本や火山岩の多い九州や東日本には砂鉄が多く存在するコトを思えば、古墳時代以前にも既に国内各地で小規模ながらも鍛鉄の製造が行われていた可能性は高い。 このコトは古い神社等に伝わる遺品からも想像できよう。

 一方の鋳鉄の方は、型に流し込んで作る鐘などの製品が良く知られる。 鋳鉄自体は小規模のルツボ還元法でも得るコトが出来るので、中国では BC 600年から極く近代に至るまでこの方法が使われていた。 型に流し込む手法は弥生時代の日本でも青銅製の銅鐸の量産に利用されている。 だが鉄に関して云えば日本では古代より鋳鉄は造られずに主に鍛鉄を生産して来た。 ... 近年、褐鉄を原料とした鉄製品の可能性が各地で研究されている。 古代ペルシャではインド鋼で出来た短剣が珍重されていたが、このインド鋼には 「黄金の液で満たされる泉から汲みだされた鉄で造られた」 と云う伝説がある。 この水辺のとは...、褐鉄鉱だったのでは? 褐鉄鉱は採集が比較的に簡単で低温還元が可能であるコトから、原始社会では貴重な製鉄資源だったと思われる。 大阪では生駒山系には花崗岩が有り、大阪平野や奈良盆地の地下には黄鉄鉱の層もある。 現在、大阪の河内で発見される縄文〜弥生時代の鍛冶遺跡や遺物は、この地区で採れる褐鉄だったのでは、...と云う研究が進められている。 ...この研究結果には大いに期待したい。

 参考書 :
新井宏    金属を通して歴史を観る
山内裕子   古代・褐鉄鋼製錬の可能性

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