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zoom RSS 火の国 九州から

<<   作成日時 : 2018/05/20 20:46   >>

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 九州は 「火の国」 である。 最近は特に地震への備えが強調されているが 火山噴火による災害も忘れてはならない。 地球上には現在 1500の活火山 (過去1万年前以降に活動した) が確認されているが、日本にはその 7% に当たる 111の活火山が有り、そのうち 17 の活火山は九州にある。 九州の火山列は山口県の阿武火山群に始まり阿蘇、加久藤、姶良、阿多 ⇒ 薩摩半島から 50km南方の鬼界、...、と大陸プレートに沿う様に連なる。 現在は 新燃岳と桜島、薩摩硫黄岳が噴煙を上げているが、万一何処かで破局的なカルデラ噴火が発生すれば国家の存亡にも繋がりかねない。 ... 1400万年前までは西日本から九州、琉球列島にかけては一つの島だった。 なのに琉球では国土の沈降が進み 今では 176 の島嶼へと変貌、 火山は九州にだけ残る、何故か?

 1400万年前、それまで静かだった九州地方に地学的事件が起きた。 九州が乗る大陸プレートと流れが変わった太平洋プレート、その空白に新しく北上して来たフィリピン海プレート、この三つのプレートの関わり合いに変化が生じた。 九州東方に北上して来たフィリピン海プレートは九州の下に急角度で沈み込む様になり、その結果 地下深くで大量のマグマが発生して九州各地で大規模の火山活動が始まった。 この時の大量のマグマ噴出で地盤は大きく陥没し、その後に地下深くに残っていた大量のマグマは固結して花崗岩となり大地を大きく盛り上げて来て九州の骨格を造った。 この時代の巨大噴火、カルデラ噴火の跡は、例えば宮崎県の大崩山 (おおくえやま) など九州の 11ヵ所 で見られる。

 或る時間の経過後、再び九州の 8 ヵ所の地で次々と火山噴火が始まる。 そのうちの一つが阿蘇火山の大噴火で、凡そ 29〜9万年前の間に数度に亘って大噴火があり、広大なカルデラを残して終わった。 火口の内側が陥没して出来た阿蘇カルデラの面積は凡そ 350 km2 、日本では北海道の屈斜路カルデラに次ぐ大きさである。 カルデラ北壁に聳える大観峰 ( 980m/h ) は明治の文豪の徳富蘇峰が命名した岩峰で 70 万年前の死火山である。 ここからスカイラインを走り菊池渓谷に行くと外側から阿蘇の外輪山の内側を覗ける個所が有る。 そこでは基盤岩の輝石安山岩の上に火砕流の火山礫や火山灰が堆積する様子を見ることが出来る。 さて、カルデラ噴火の別名は破局噴火であり、学術名はウルトラ・プリニー式噴火である、即ち カルデラの全域からマグマが一気に柱状に噴出する噴火のコトである。 特に此処 阿蘇火山は 2015年にマンチェスター大学のアルバート教授が発表した 「世界で最も危険な火山」 リストの 第4位にランクされている。

 2万9千年前に破局的な噴火を起したのは、姶良 (あいら) カルデラでの噴火である。 場所は現在の鹿児島湾の北半分の部分で、今なお噴火を続ける桜島火山は姶良火山の寄生火山である。 海底に残る カルデラの径は 20km、1万年前の最終氷期が終わり海水準の上昇時に外海と繋がり 現在の姿になった。 噴火自体は 200万年前から続いていたが、破局的な噴火を起こしたのは2万9千年前の噴火で この時の噴出物総量は 500km3 (富士山の体積の1/3 相当 )で、火砕流が流出した範囲は九州南部一帯だったが、降灰は関東で 10p も詰まった。 この時の降灰が神奈川県の丹沢山で発見され、「 姶良Tn 火山灰」 と命名されている。 この火山灰の層は 地質学や考古学では年代特定の 「鍵層 」 として利用されている。 私も箱根 明神岳の山頂付近の崖で 5o 位に圧縮された白色の姶良火山灰の層を見たコトがある。 ... この時の姶良カルデラの噴火はウルトラ・プリニー式噴火だった。

 7300年前には鹿児島の南方海上 50km の地点で カルデラ噴火が発生。 この時の噴火による火砕流は猛スピードで海を渡り九州南部に上陸、当時の縄文文化を悉く破壊した。 この時の鬼界カルデラ噴火の跡は現在は海底にあり、カルデラの一部だったと見られる薩摩硫黄島は海上にあって噴煙を上げている。 7300年前に噴火した火山灰はアカホヤ火山灰と名付けられ K-AH と表示されている。 この時の噴出物の総量は 100km3 、降灰は偏西風に乗って関東や東北まで及んでいる。 2016年以降、神戸大学海洋底探査センターがこのカルデラ跡を調査している。 それに依ればカルデラ跡は200〜600mの海底にありカルデラの直径は20km、その中に新しい溶岩ドームが形成されていて この直径は10 q、体積 32 km3 の規模と云う。 このカルデラ跡の下には再び大規模マグマが成長している可能性大という。 この調査結果は英科学誌 「Scientific Reports」 に掲載されている。... 日本列島では1万年に 1度の確率でカルデラ巨大噴火が発生している、鬼界カルデラ火山はその中でも再来の危険性の高い火山の一つなのかも知れない。

 日本列島の大部分が太平洋プレートの影響で東から西へと少しずつ移動しているのに対して、GPSで見ると九州と琉球列島だけが南東方向へと移動している。 この現象に伴い九州は別府島原地溝帯を境にして年に 2oの速さで南北に分裂しつつあると云われているが、この現象はフィリピン海プレートが東から九州の地下に急角度で沈み込みを続けている限り止まるコトはない。

 参考書 :
NHK   ジオジャパン九州・沖縄から。
鎌田浩毅   地学のススメ  講談社

 

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