箱根の寄生火山を歩く

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 2月、満開の梅の花で賑った幕山も、はや初夏の装い。 幕山は神奈川県 湯河原町にある日帰り登山向きの低山である。 一体この山はどのような山なのだろう、...興味は尽きない。

 幕山は箱根火山にやや遅れて、50~25万年前頃に形成された火山である。 山体は溶岩が固結して出来た「溶岩円頂丘」そのものである。 火山としての位置づけは、箱根火山を北西⇒南東に走る金時山⇒幕山構造線上にある箱根 「寄生火山」 の一つである。

バスの終点の鍛冶屋を出発、登山口まで2km 新崎川に沿って進む、途中 川底に古い湯河原火山の岩盤が見られるのではと期待しながら歩いたが水量が多く、水が濁っていて これは観察できなかった。

 山道を進むにつれて右側に幕山の山容が迫ってくる。これを袴田著「箱根火山探訪」は、...”溶岩円頂丘の地形は新鮮で幕山の形成が新しいことを示している” と書いている。

 幕山南麓に広がる湯河原梅林は火山の噴出物でできた土壌の斜面上にあり、その上方の山腹には横に連なる岩壁が更に、段状に重なり重なりで急崖をつくっている。 ここはロッククライミングが楽しめる場所でもある。

 また岩場を迂回する登山道には、幕山溶岩地帯と箱根の古期外輪山起因の砕屑物地帯とが交互に姿を現す。 道端の地層面にも富士山起源の黒灰色の土壌やローム層が堆積していて、火砕流の熱で酸化して鮮やかな赤色に変質した地層等、過去の箱根外輪山の歴史を絵巻の様に観察できる。

 3時間ほどで山頂(626m)に到着。 眼下には相模湾に突き出した真鶴半島が、東方には南郷山、北西方には星ヶ岳等の箱根の外輪山が望見できた。素晴らしい眺望である。

 幕山は、箱根古期外輪山の外側に 溶岩円頂丘として隆起して誕生したもの...。 その後は、箱根の古期カルデラ、楯状火山、新規カルデラ、中央火口丘(神山、大涌谷)の各時代を通じて何回も降灰、火砕流、火山噴火物に覆われた筈である。

 しかし、現在の幕山を覆う地層は殆どが新しい時代のものであり、古い時代のものは削剥されてしまっていて観察することはできない。...わからない事の多い山であった。 (写真は幕山の全容)


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