三宅島へ行こう

 2000年 (H12年)の大噴火前に発行された三宅島の地図では、島の最高地点の標高は 815m だが 噴火後の現在は 776m である。 何故って?、 原因は噴火時の水蒸気爆発で山頂付近が大きく陥没した為で、旧火口跡には 径 800m、深さ 400m の新カルデラが出来ている。 とは云っても、現地は立入禁止区域なので我々登山者が実際に この風景を見るコトは出来ない。 2013年現在でも、なお山頂からは日々 800t の二酸化硫黄ガスが噴き出ており、村役場ではガス噴出の状況を逐一有線放送を通じて島民に伝えている。...放送内容は、風下になる危険地域やガスの濃度、ガスマスクの装填、避難の指示等である。 私も 出港前に東京晴海の竹芝桟橋の売店で購入した( \2,500.)ガスマスクを島内では常時携行した。

 伊豆小笠原弧は、伊豆半島から南へ 2800km にも及ぶ海洋性の島弧であり、その上に乗る三宅島は東京から 180km の地点にある直径 8㎞ の円形の火山島である。 ...島の最高地点の標高は 776m だが、島弧の東側を刻む伊豆小笠原海溝の最深部は、-9800m 、仮に海水が無いとすれば三宅島は標高1万mの大山脈の上の 1 火山と云う位置づけになる。 その伊豆小笠原海溝は、北西に移動するフィリピン海プレートの下に 更に西北西に進すむ太平洋プレートが異なる速さで潜り込む、謂わばプレートの境界線でもある。 この海底山脈上に三宅島が出現したのは更新世後期 (12~1万年前) の 5万年前頃とされる。 歴史時代に入っても噴火活動は依然活発で島全体は玄武岩質溶岩で厚く覆われている。 更に、基盤岩中に安山岩質凝灰岩を含んでいるので、三宅島は伊豆半島と同じく中新世 (2000年前) の湯ヶ島層群系とされている。

 伊豆諸島とは、伊豆小笠原弧の上に乗る伊豆大島、三宅島・八丈島・鳥島から更に 76km 南にあるソウフ岩までの 100余りの島嶼を指す。 内、有人の島は大島に 8200人、八丈島 8100人、三宅島に 2700人 など 9島に計 25,000人 が住み、他は全て無人島である。 (小笠原諸島は更に南へ続く別の島嶼である) ...その中の三宅島は、面積では大島・八丈島に続き 56 k㎡ の広さの火山島である。 航行する船から眺める三宅島は、玄武岩に覆われた黒系の島であり、白系の流紋岩が卓越する新島とは色彩が対照的で見ていて飽きない。 三宅島の火山噴火は 1085年 (応徳2年) 以降は記録が残されており、最近の 500年間には略 50年おきに 13回の噴火が繰り返された。 直近の噴火は、1983年 (S53年) と2000年 (H12) の大噴火である。 帰宅して3日後に三宅島で震度 5強の地震が報じられた、そう云えば既に 3日前にホテルのロビーにタムロしていた釣り客たちが、この週末は魚が全く釣れない、ダイバーたちは潜っても何時もと違い海が濁っていると話していた、...何れも地震の前兆だったのだろう。... 近年、三宅島、大島三原山と大噴火が続いた、富士火山帯で残るのは、あとは富士山だけである。

 1983年 (S53年) の噴火は島の西南部の割れ目噴火に始まり、厚さ 10m超の溶岩流が麓の阿古地区を襲い住宅 400戸 を呑込んだ。 集落跡は今も厚い溶岩に覆われた侭で樹木も生えてない。 当時の阿古小学校は鉄筋校舎の 1階部分が全て溶岩に埋まり廃校になった侭である。 続く 2000年 (H12年)の噴火は最初は島の西方海域で群発地震が発生し、その後に中央の雄山 (≒815m)が噴火して水蒸気爆発が頻発した、山は今なお二酸化硫黄ガスを噴出し続けている。 今回の火山噴出物の総量は 1100万立方メートル だったが、2000年に起きたこの噴火スタイルは過去 500年間に例のない噴火だった。 この為、島民は 4年間にも亘る全島避難を余儀なくされた。 今回、立入禁止線ギリギリの七島展望台から眺めた山頂一帯は全面が不毛の地と化していた。 島の資料館には、小規模ながらも 18世紀の溶岩見本を始め、人頭大の火山弾、玄武岩が齎す灰長石や好型のオリビン (カンラン石) 等が展示されている。

 噴火前に 4000人いた島民は、2013年の現在は 2700人、今なお多くの人が避難先から帰島していない。 近年の島の労働事情は、労働人口 1400人のうち一次産業に 5%、二次産業に 25% 、三次産業に70%が従事している、他に完全失業者が 80人程いる状態では帰島したくても島には仕事が無く、戻れないケースが多いと云う。 ...国は離島振興法に基づき、都は離島振興計画を作成して種々の事業を策定してはいるが、なかなか末端にまで浸透してなく、この制度は成功していない。 伊豆諸島存在のメリットは、海域が日本の領海の 7%に当り、排他的経済水域では11%を占めている点にある。 それは将来的に日本の水産資源、地下資源、エコ発電 (地熱、風力、潮流) の新たな発掘場所として国の大きな財産になる。 今こそ島嶼の産業育成・発展に国は国策として挑むべきであろう。


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