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zoom RSS ♪ ハバネラのリズム

<<   作成日時 : 2015/04/30 22:37   >>

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 音楽のレッスンで現在 ♪ハバネラ 「 カルメン 」 を特訓中。 ... 年初に読んだ本には 19世紀の哲学者ニーチェは、特にショパンや ビゼーの曲を好み 幻想即興曲やハバネラ「カルメン」 を自らピアノ演奏をしていた とあった。 その時はただ 19世紀にはこの様な曲が流行っていたのか、と軽く読んだだけだったが、元々ニーチェは ワーグナーとも親交を持つほどの音楽好きの学者だった。 ...5年ほど前に私もハイチのハバネラについて少し触れたが、その時はタンゴのルーツとして取り上げただけだった。 今回は、オペラ 「カルメン」との関わりをも含めて別の角度から眺めてみる。

 ハバネラは、キューバでは踊りのジャンルに入るが、世界ではダンサ・アパネーラ即ち ハバナ風の舞曲、ハバナ発のリズムとして知られている。 このハバネラ音楽の特徴は、付点8分音符と 16分音符、8分音符が連結するリズム・パターンにある。 これはハバネラの前身のコントラ・ダンサ (英国発の Country Dance =田舎風ダンスの仏語読み) 以来の伝統的なリズム・パターンでもある。 ... リズムは、流れる ( rhein )と云うギリシャ語の動詞を起源とするが、音楽的には拍子の幾つかがグループ化した場合をリズムと呼ぶ、従って 拍子のグループ化次第で曲想は色々と変化する。 ... ハバネラ音楽の基本は4分の2拍子、1拍目をやや強く跳ねる様な感じで弾くが全般に比較的ゆっくりした曲でもある。 (ハバナ⇒ キューバの首都)

 18世紀末にフランス革命が起きる。 同時に仏領ハイチでも黒人革命が勃発、人々は戦禍を避けて隣国のキューバ (スペインの植民地)へと逃れた。 この時ハイチからの避難民によって齎されたのがハバナ風コントラ・ダンサだった、後にキューバではこれがダンサ (踊り)の音楽に発展する。 このダンサのリズムが船乗りによってヨーロッパに伝えられると、そのエキゾチックなリズムが受けて各地で大歓迎される、ダンサ⇒ ハバナ風の舞曲=ハバネラのリズムが世界に認知されたわけだ。 ... ヨーロッパでスペイン音楽の影響を受けたハバネラ・リズムは、今度は逆に移民たちによって中南米の各地に持ち込まれる。 その後、アルゼンチン、ペルー、メキシコ、ウルグアイに定着したハバネラは各地で花開く、... それらはタンゴであり、ミロンガであり、ランチェラであった。 結局、中南米に逆輸入されたハバネラ・リズムは、近代ポピュラー音楽の元となった訳だ。

 映像も通信も無かった 18〜19世紀の初期はユックリした時代で、情報の伝達には時間が掛かった。 そんな環境下で新しい音楽は、船乗りや移民たちによってヨーロッパと中南米の間をユックリと、時には何十年もの年月を掛けて行き来しながら広がっていった。 その為に情報は各地で錯綜し、19世紀のヨーロッパではハバネラ・リズムがタンゴと云われたり、アフリカ系タンゴやスペイン民謡と同一視されたりと混乱していた。 オペラ・カルメンの初演時でさえ、中身はハバネラなのにタイトルはハバナ風タンゴと表示されていた程である。 この様に特に当時のヨーロッパでは輸入された音楽の情報が混沌としていた。 ビゼーが誤解して結果的に盗作になってしまった事件も、著作権制度の無かった時代とは云え、この様な状況下では止むを得なかったのかも知れない。

 オペラ 「カルメン」 は、ビゼー作曲になるフランス発のオペラである。 初回の開演は1875年 (明治8年)だったが彼はその 3ヵ月後に死去、オペラは不評に終わった。 後を引き継いだ友人のギローの改作で彼のオペラは再び人気を取り戻す。... オペラ 「カルメン」、全四幕中の第一幕で歌われるアリア (オペラで歌われる美しいメロディーの独唱曲) はハバネラの曲である。 情熱を抑え、気怠る (けだる) そうに半音階づつ下がるメロディーとカルメンの歌う 「恋は野の鳥...、」 が調和する所が このオペラの最初の山場である。 歌い終わった場面でカルメンが、男役のドン・ホセに向けて花を投げ与える、それを見たカルメンの同僚の女工達が歌を真似てホセをからかう... 。

 ヨーロッパ、フランスに住み市民的エートス (道徳や倫理) からの縛に疲れ切った観客は、何のためらいも無く情熱の赴くままに生きるジプシー女のカルメンに賛嘆した。 あの哲学者のニーチェも、1888年のトリノ書簡でビゼーを称賛し、自身もオペラ 「カルメン」を 20回 も観賞したと述懐している。 ... カルメンは21世紀の今日でも世界各地で最もよく上演されるオペラの一つである。

 参考書 :
八木啓代・吉田憲司   キューバ音楽    青土社
名作オペラブックス8   ビゼー・カルメン  音楽の友社
 

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