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<<   作成日時 : 2017/01/29 22:33   >>

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 1 月末の この時期は 「寒の内」 の真只中。 我が家の鉢植えの梅ノ木の蕾は もう咲くぞと云わんばかりに春の来るのを待ち侘びているのに、今年の関東は氷点下の日が続き例年より寒い気がする。 清少納言は 「冬はつとめて。 雪の降りたるは言うべきにもあらず、... 。 ⇒ 冬は早朝がよい。 雪の朝は言うまでもなく、... 。」 と書いたが、その頃の彼女はまだ若く寒さなど気にする必要等なかったか、或いは 当時の奈良は今年の関東程に寒くなかったかの何れかであろう。 さて 1 月 25日は 「最低気温の日」 記録は1902 年の旭川の−41度。 今年は北海道の上川の占冠 (シムカップ) 村の −32.8 度が1月の最低気温。 人は真夏の気温 30度 には何とか耐えられるが、−30 度では耐えきれない。 子供の頃の京城の冬の朝、起きると部屋の窓ガラス一面にシダ模様の霜の花が咲いていた。 それでも気温はー6〜7 度位だった。

 昔 「寒弾き」 と云う言葉があった。 ...1 月初めの小寒の日から大寒が終わる 2 月3 日頃までの 「寒の内」 の期間 には色々な寒中行事があった。 それらは寒稽古であったり、寒中水泳、寒復習 (... ざらい)、寒相撲...、などであったが、中には 「寒声」 や 「寒弾き」 もあった。 寒声は寒い早朝や夜間に声を発するコトで咽喉を鍛えようと歌を謡ったり経を読む修行だった。 同様に琴や三味線の稽古をするのが 「寒弾き」 で、寒い部屋での稽古は指が冷たくて大変だったと思う。 今日では 「寒弾き」 なんて言葉を知る人も唱える人も居なくなった、ピアニストに寒弾きをと云っても通る筈はない。 そんな緊張感のある環境を好む人はもう居ない。 暖房の効いた暖かい部屋で毛布に包まって LINE や FACEBOOK を流している方が余程 楽だからだ。

 寒い夜には寝ていても頬が冷たくなる。 前にも書いたが以前 長野県の菅平高原に家族でスキーに行った時に朝起きたら妻の化粧水が凍っていて驚いたコトがある。 寒冷地の家屋は、本来は寒さを防ぐ造りにするべきなのに、日本には昔からその様な発想はなかった。 14 世紀に書かれた徒然草の 55 段目には 「家の作りやうは、夏をむねとすべし。 冬はいかなる所にも住まる。 ... 」 とある。 兼好の住んだ京都盆地の夏の厳しさは分からんではないが、日本では何処へ行っても家の作りは殆ど変わらない。 ...だから日本風の家屋は冬には適さず寒いのだ。 それでも日本人は昔から住む家には京風の数寄屋造りを好んだ。 司馬遼太郎は、幕末に、幕命で冬の蝦夷地に赴任した東北の某藩の侍達は、板塀一枚の日本風家屋に住み翌春までに大勢の死者を出した。彼らは寒地に在ってもロシア人の使うペチカや遊牧民が暖をとるオンドルを忌避し、蝦夷地に住んでも尚、夏型の数寄屋造りに拘ったと書いている。

 寒さの為か、わが家の庭の芝生や そこに寄生する雑草も今は仮死状態で動きは全く無い。 ならば雑草は冬眠中なのか。 だが 目を近づけてよーく見ると雑草も寒さを凌いで必死に耐えているのが分かる。 冬の庭の雑草は知る限りでは、チドメグサ・ホウコグサ・カタバミ..etc であるが、それらの雑草は寒いのに常緑樹の様に一年中 緑の葉を付けて過ごしている、何故か? ... 専門家に依れば、植物が冬の間に葉を凍らせないで過ごせるのは夏の間に体内に 「糖分」 を沢山貯めて準備をしてきたからと云う。 つまり 葉の糖度が高ければ高いほど凝固点が下がるので、植物は葉を凍らせずに冬を過ごせると云うわけ。 そうであれば、やはり寒い冬でも芝生の雑草取りは続けていく必要がありそう。

 江戸時代の1835年 (天保6年) に徳川幕府の役人で大坂城代を務めた土井利位は、在阪したその年の冬に 2日間に亘って降った雪の結晶を顕微鏡で観察し、紙に書き留めた。 一般的に雪の結晶を観察できる気温は −7度以上とされる。 ...と云うコトは、この時代の大坂は現在の大阪よりも寒かったと云うわけか。 鎌倉時代から始まった地球の小氷河期による寒冷化は、江戸時代の末期まで続いていたコトになる。 地図上で近畿よりも 2度も高緯度に位置する関東は、江戸時代には今より以上に寒冷化の影響を受けていた訳だ。 因みに 大坂城代の土井氏の書き留めた雪の結晶の模様は図案化されて衣類に染められ、人気を博したと云う。

 参考書 :
田中修   植物はすごい   中央公論社
倉島厚   人生気象学    東京堂出版

 

 

 

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