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zoom RSS 東京湾の地底:

<<   作成日時 : 2018/11/23 23:18   >>

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今までに十数回、船で東京湾から外洋に出た。 或る時は寝台付きの1等船室で一人ユックリと、また或る時は大客室で皆と輪になって酒を酌み交わしながら,
夜が更ければその場で毛布を被り翌朝迄寝入ったもの。 伊豆七島へ向かう東海汽船は夜遅い時間に竹芝桟橋を出港し暫くは並みの静かな湾内を滑るように航行する。 だが、船が外海に出るといきなり船体が大きく揺れるので どんなに寝入っていても目が覚め、ひとり大海に出でてもしもの時にはと考えたりしたもの....。 帰りはその逆なので、船が東京湾の静かな内海に入り安全圏に入ったなと見るや 何回乗っても、まずはホットして今日は何時までには家に帰れるなと目算したものだった。

 そんな東京湾だったが、明治時代以前にはこの湾に固有の名前は無かった。 「東京湾」 は江戸が東京に変わり、欧米に列して地図を作り首都をアピールする様になってから新しく付けられた名前である。 ... 東京都と神奈川県、千葉県に囲まれた東京湾の範囲は、広義には三浦半島の剣崎と房総半島の洲崎を結ぶ線より内側 (北側) の海であるが、狭義の湾は三浦半島の観音崎と房総半島の富津岬を結んだ線の内側になっている。 広義の場合の東京湾の広さは1320 km2、狭義の面積は 922 km2 である。 しかも湾は出来方からして水深は場所ごとに大きく異なる。 例えば観音崎の先、外海寄りの水深は 700m と深い、だが内海の水深は最大で 70m、平均水深は 17m に過ぎない。 特に横浜の沖合には中の瀬と云う浅瀬があり、大kな船はそれを避けて航行する、従ってこれより北側の水深は 20mと浅い。 ... 過去の 1〜7 万年前の氷河期には、世界的に海水準の低下が進み 海面は現在よりも 100〜130m 低かった。 当然ながら東京湾も当時は陸化していた筈で、干上がった湾には周辺の山間部から流れ下る小河川を集めた古東京川が神奈川寄りに流れていて、観音崎と富津岬を結ぶ線の辺りで外海に注いでいたと云う。

本州を南北に切るフォッサマグナの西縁は深さ 6000m もの深い溝で切られていると云う。 一方、東京湾を含む関東平野一帯はフォッサマグナの東側部分を担うものの東縁の溝はハッキリしていない。 東京湾は時代により海になったり、陸化したりと変動はあるものの、基本的な地層の構成は関東平野と同じである。 即ち、関東平野の地下には、古生代〜中生代 (5億5千万年前〜6千5百万年前) に形成された固い基盤岩が有り、その上に新生代以降に周囲の山地・丘陵地から流入した岩砕 (礫・砂岩・泥岩類) や火山からの砕屑物が 3000m 以上も堆積しており、東京湾の特に狭義の東京湾の地層は陸上と同様の地質構造と考えても良いのではと思う。 ...数十万年前までは埼玉県の浦和辺りから東京湾の北部、房総半島の中部に掛けて深海だった地域も その後の海底の隆起と河川からの砂泥の流入によって浅海化または陸化して現在に至っている。

 地球の表層の下の基盤岩のその下は 670km までは上部マントルに覆われているとされる。 地球を覆うプレートもここで生まれて 又ここに沈み込んで消滅してゆく。 日本列島に係わるプレートは4枚であるが、關東に係わるのは@ 東日本が載るオホーツク・プレート (旧北米プレートで厚さは50q)、A その下に北西方向に向けて沈み込んでいる海洋性のフィリピン海プレート(関東付近では層厚60km)、B 更にその下に東方から沈み込む 厚さ100km の巨大な太平洋プレートの3枚である。 房総半島南西沖の海底には、この三者が接合している 所謂 「房総沖海溝三重点」 がある。 ここでは三枚のプレートが接触して重なり合っていて、 日本列島が出来た1500万年前から活動を続けている。 この影響でフォッサマグナの東側に在る関東地方の地下は常に不安定で地震の発生回数が多く、また各地で隆起と沈降の現象が起きている。

 震源地、即ち地震が発生する個所に関する最近の研究では、発生場所として@ オホーツク・プレートの内部で起きる地震、A オホーツク・プレートとフィリピン海プレートとの接触面で起きる地震、B フィリピン海プレートの内部で起きる地震、C フィリピン海プレートと太平洋プレートとの接触面で起きる地震、D 太平洋プレートの内部で起きる地震、の 5例が挙げられていて、東京湾や関東地方に災害を齎す地震はAとCであると結論付けている。 しかも、このうち大きな災害を齎すのは震源が浅い方のA であって、C の方は震源が100kmと深くなるので被害は小さいとされた。 ... 東京湾北部を震源とした大地震、1855年の安政江戸地震では、死者は1万人で震源に近い下町の浅草や深川では大きな被害が発生している。 ... これも地震の研究が進み専門家による解析の結果、この地震はA タイプの地震だったコトが判明したと云う。 過去の地震であっても、当時の地震の原因が解明できる様になったコトは大変うれしい。

 参考書 :
鎌田浩毅  日本の地下で何が起きているのか     岩波書店
中島淳一  日本列島の下では何が起きているのか  講談社

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