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zoom RSS 中央アジアの仏教遺跡

<<   作成日時 : 2018/11/30 15:27   >>

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 中国への進出企業の状況視察に行ったのは 1970年代の後半だった。 当時の中国トップが華国鋒だったから、相当古い話である。 そのとき西安市内で史跡、大慈恩寺の大雁塔(現在は世界遺産) に登る機会が有った。 中国の世相は当時と今では大違いだが、それでも当時すでに七層の塔は一般に公開されていて各階には菩薩像の線刻画や大唐三蔵の功績やらが展示されていた。 だが、三蔵法師が天竺から持ち帰ったと云う経典類は、塔の最上階や地下室に保管されていると云うだけで展示はされていなかった。 そんなコトも有り、彼が多くの経典を持ち帰った経緯と原始仏教について興味を持ち、手軽に読める明の時代に書かれた 「西遊記」等を買って読んだものだった。 ... 古代中国ではインドを天竺と呼び仏教発祥の地として畏敬したが、当時の天竺は現在のインド国だけではなく より北西に伸びたもっと広い地域を指していた様に思う。

 先般、東京の立正大学で同大学が中央アジアのウズベキスタン共和国と共同で発掘・研究を行った古代の仏教遺跡に関する研究成果を発表する講演会・シンポジウムがあった。 わたしも直前に新聞紙上に発表された現地の写真等を見て啓発され、当日の発表を聴きに行った。 ...それによれば、発掘地は中央アジアのウズベキスタン共和国南部で、アフガニスタンとの国境に近いテルメス市の近郊で、発掘研究の提携先はウズベキスタン芸術学研究所とのコト。 ...ウズベキスタン共和国は、首都はタシケントで、人口は約 3200万人、ウズベキ系、ロシア系、タジク系、等々....から成る多民族国家。 国境を四つの国と接し、国土は45万㎢ でそのうち農地は国土の 10%で残りは広大な砂漠 (キジルクム砂漠)と最高峰 4643m を頂点とする険しい山岳地帯、気候は大陸性気候で降水量は年間 100〜200ミリと少なく、夏の気温は 40℃を超すが 冬の平均気温は―20℃と寒い。

 ウズベキスタン共和国も含めた中央アジア地域は、古代から東西を結ぶ交易路が栄え、そこでは幾つものオアシス国家が興亡を繰り返していた。 ローマと西安 (長安)を結ぶシルクロードも当地を経由して文化や商品を運ぶ流通路として機能していた。 BC 5世紀に釈迦が興した仏教は、BC2世紀頃に当地を経由して唐に渡り、その間 千年の歳月を経て日本にも伝来した。 日本では仏教と云えば竜樹たちが唐で漢文に書き換えた経典や教義を出発点とするが、この中央アジアには更に古い仏教の原型が有ったのではないのか? ... 今回の講演会・シンポジウムにはこんな思いもあって参加した次第である。

 ウズベキスタン共和国の特に南部地域は地理的にはシルクロードの十字路に面していた関係で、古来より新しい文明の恩恵を受けて来たが、同時に史上幾度となく大きな災厄にも遭遇した。 ... BC4世紀にはアレクサンドロス王の率いるマケドニア軍が侵攻、7世紀にはイラクのアラブ軍に侵攻されてイスラム化が浸透、13世紀には東方からのモンゴル軍に征服され、14世紀には当地に北方系の大月氏によりテイムール帝国が建国、17世紀には北方よりウズベク人が侵入して来て3ハン国を樹立、19世紀には北のロシア帝国に征服されてウズベク・ソビエト社会主義共和国に改変、20世紀後半の1991年にソ連が崩壊して現在のウズベキスタン共和国が誕生、現在に至っている。 ... 歴史の間隙をついてクシャン朝の2〜3世紀には当地に仏教が広まり、7世紀には東方より唐僧の玄奘三蔵が来訪している。 彼の著書の 「大唐西域記」には当地のテルメスには仏教伽藍が十数棟あり、僧は千人余...と記された。 当地一帯ではこの時代に最も仏教文化が栄えたのであろう。

 中央アジアの古代遺跡に残る古代仏教や関連する美術の研究は1930年代に始まったものの、一時期の中断を経て1960年代より再び発掘・研究が始まった。 日本人では国立民族学博物館の教授だった加藤九祚氏が 1998年にウズベキスタン側との交流開始により共同で発掘研究を行い、2014〜2017年に掛けては立正大学の研究チームがこれを引き継ぎ主にテルメス市北方のカラ・テペ遺跡や市域付近のズルマラ仏塔の発掘・研究を行った。 今回の講演会・シンポジウムはこの成果発表だった訳で、特に佛教大学の視点から捉えた中国に移る前の姿の原始仏教に接した研究発表は充分に期待に沿うものであった。

 参考書 :
KARA・PETE 2014.>>2017
立正大学ウズベキスタン学術調査概要報告書



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